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知っておくと便利な紙の厚みの単位「四六版」「菊版」の違い
2022年05月17日
普段オフィスやご家庭でもA4サイズやB5サイズの紙を使用している方も多いと思いますが、紙のサイズは他にも細かく分かれていることをご存じでしょうか?
日本の紙の原紙寸法は、JIS(日本工業規格)によって「A列本判」「B列本判」「四六判」「菊判」「ハトロン判」の5種類に定められています。
また、印刷業界ではチラシなどで使う紙の厚みの基準を「〇〇kg」と表現し、お客様からも「コート90kg」「マットコート110kg」などとご指定を頂くことが多くあります。
今回は、この印刷業界の厚みの基準であるkg、並びに知っておくと便利な日本独自の原紙寸法について説明していきます。
■厚みの単位「kg」とは?
厚さを表現するのに、なぜ重さの単位である「kg」が使われるのか疑問に思った方も多いのではないでしょうか。
紙の厚み(紙厚)なのに単位が「kg」となっているのは、原紙を1,000枚重ねた時の重さで表現をしているからです。
つまり、紙厚が90kgの場合は、「原紙を1,000枚重ねた時、その重さが90kgになる厚みを持った紙」ということになります。
では、なぜわざわざ紙の厚みを「1,000枚重ねた時の重さ」で表しているのかと疑問を持たれる方も多いかと思います。
その理由としては、印刷会社と製紙メーカーが原紙を「重さ」で量って取引きをしているからです。
原紙の売買は、一度に数十万枚~数百万枚にも及ぶため、1,000枚を1ブロックの単位でまとめて数えないと効率的でないからなのです。
■用紙の厚みの例
上記で厚さの単位「kg」について説明してきました。
ですが、「kg」という数字を見ただけでは、いったいどれくらいの厚みなのかイメージがつかないという方も多いのでなないでしょうか。
そこで、ここでは、一般的に使われるチラシやフライヤーなどの用紙の厚みを、例としてご紹介していきます。
- 新聞の折り込みチラシ(家電量販店、スーパーなど):53kg、58kg
- コピー用紙や大学ノート(表紙以外)など:68kg、73kg
- ピザ屋や寿司屋などのポスティング用の出前チラシ:90kg(標準的な厚み)
- 映画のフライヤーや折りパンフレットなど:110kg、135kg
- 郵便はがき、名刺、ショップカードやノートの表紙など:180kg、220kg
「kg」の数字が大きくなるほど用紙は厚くなり、値段が高くなっていきます。
また、スーパーや家電量販店など、「安さ」が売りで、定期的に作成されるチラシは紙が薄く、数千万円~数億円するような新築マンションのチラシは、厚い紙を使って安いイメージがつかないよういしています。
扱う商品の値段やイメージに合った厚みの紙を選ぶことで、受け手に与える印象のミスマッチを防ぎ、広告の効果を損なわないようにしています。
■「四六版」「菊版」の違い
冒頭で、日本の紙の原紙寸法は5種類あるとお伝えしました。
ここからは、日本独自の規格である「四六版」「菊版」の2種類の違いについて説明してきます。
四六判
明治時代にイギリスから輸入された四六判(原紙サイズ:788mm×1,091mm)は、イギリスの紙の規格である「クラウン判」が元になっています。
美濃判の約8倍もの大きさがあり、出版物によく使用される「4寸×6寸」サイズが取りやすかったため四六判と呼ばれるようになりました。
四六判とB6サイズの書籍は、出版物全体の約30%をも占めています。
菊判
菊判(原紙サイズ:636mm×939mm)は新聞用紙に使用する目的で、日本がアメリカから輸入した紙のサイズです。当初は新聞用紙のみに使用するつもりでしたが、後に他の出版物にも使用されるようになりました。
「菊判」という名前の由来は、輸入紙の商標にダリアの花が使用されており、菊の花に似ていたことによるといわれています。さらに、菊は皇室の紋章であることや、「新聞」の文字の中に「聞(きく)」という漢字が入っていたことなども理由とされているようです。
菊判は単行本によく使用されるB6やA5などのサイズより一回り大きいため、書店で目につきやすいという理由から、現在でも書籍などに菊判が利用されることが多々あります。
ただ、同じ90kgの場合でも、「四六版」「菊版」どちらかの基準で紙の厚みが変わってしまうため、ご注意ください。
■まとめ
ここまでで印刷業界の厚みの単位や原紙寸法について説明してきました。
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